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Frozen Echoes / Akira Fujimoto 藤元明
2025年6月24日 artless Inc.
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プレスリリース提供元:ValuePress!

この度WALLS TOKYOでは、2025年7月3日から26日までの期間、藤元明個展「Frozen Echoes」を開催する運びとなりました。藤元はこれまでにエネルギーをテーマとした作品を数多く発表してきました。当ギャラリーで2回目となる本展では、現代社会におけるエネルギーを独自の視点で捉え、絵画として結晶化させた新作を発表します。

うちの13歳と11歳の子供たちはいつもYouTubeやSNSに夢中だ。いい加減にしろという親の指摘、ましてや本人の意思を超え時間を溶かしている。しかしいつの間にか私自身も同じ状態になっていて、ふと我に返ると、何を見ていたのかほとんど覚えていない。かつて人々は移動や快適にエネルギーを変換し費やしていたが、現在は個人の情報発出や情報消費のために費やされる「エネルギー≒情報」の時代に変わってきたように思う。本個展「Frozen Echoes」では、個人が発出する情報を増幅し描くPerpetual Energyシリーズと、残響のような曖昧な情報群がデータによって統合・制御される様子をReplacementシリーズで呼応させ、エネルギーを費やし時間を溶かす我々を描こうと試みる。(藤元明)
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日本の戦後美術に足跡を残した「具体」の作品には、内なるエネルギーを文字通り体当たりで表出させたものが多くある。具体美術協会が存在した1954年から1972年は日本の高度成長期とも重なり、彼らは時代のエネルギーを吸収し、表現として放出していたのではないかと思わずにはいられない。エネルギーが重要な社会インフラであることに変わりはないが、かつて「スピードとパワー」を象徴していたエネルギーのイメージは、近年では持続可能性や環境への配慮、経済性とのバランスといった観点から、「持続と調和」へと移行しつつある。さらに生活全般におけるデジタル化が進む中で、エネルギーはライフラインを支える基盤として、私たちの日常に自然と組み込まれている。こうした状況の中でエネルギーのあり方は複雑化し、その存在は今や当たり前のものとなり、私たちの意識の表層にすらのぼらなくなっている。

ところでエネルギーとは、科学的には「物体が持つ、仕事(=何かを動かしたり、変化させたりすること)をする能力」である。エネルギーは変換されるたびにエントロピーが増大し、質的に元に戻ることのできない、不可逆な一方向の流れをたどる。時間は理論上、前後いずれの方向にも進むことができるが、現実の時間が一方向にしか進まないのは、エネルギー変換におけるエントロピー増大という熱力学第二法則に、自然界のあらゆる物理現象が従っているためである。

藤元は、このエネルギーにおける時間的性質を操作することで、自然法則にノイズを組み込む。《Replacement》シリーズの飛び散った絵の具は、時間の順に重なってはいない。飛び散った絵の具をフィルムから剥がし、キャンバスの上で編むように上下させているからだ。《Perpetual Energy》シリーズは、絵の具の混ざり合いの一部を拡大して描き起こしたものだ。偶然が生んだ現象に人の手を加えることで、それが偶然を脱したように見えて、なおも偶然に止まっているという循環の中にある。
制御不可能な力を味方につけ、あるいは自然の法則に抗う彼の試みは、感覚の新しい扉を開いてくれる。そのときそこにデジタルとフィジカル、情報と実態を行き来するように生きる私たちの姿が見えてはこないだろうか。


Akira Fujimoto 藤元明 / Artist
1975年東京生まれ。東京藝術大学卒業、FABRICA(イタリア)に在籍後、東京藝術大学美術学部大学院修了。エネルギーを根底とした環境・社会現象をモチーフに、様々な方法で絵画作品やインスタレーション、アートプロジェクトを展開。主な活動にF「NEW RECYCLE®」「2021」「陸の海ごみ」、広島の被爆とその記憶をテーマとした「FUTURE MEMORY」など。主な展覧会に「TOKYO 2021」「ソノ アイダ#新有楽町」「海のバベル」など。   2015年より都市の隙間をアーティスト活動の場として活用する『ソノ アイダ』を主催。
vimeo: https://vimeo.com/akirafujimoto
sonoaida: https://sonoaida.jp

【近年の主な展覧会】
2025 Perpetual Energy #02 / mural, カシマスタジアム(茨城)
2024 Future Memory- Tricycle, 
           国際赤十字ミュージアム収蔵(ジュネーブ)
           FUTURE MEMORY, Gallery G(広島)
           FUTURE MEMORY, Haiku House (New York)
           ソノ アイダ #日本橋, (三井不動産)
           日本橋室町162ビル2F(東京)(〜'25)
           ソノ アイダ #TOKYO MIDTOWN AWARD, 日本橋室町162ビル1F(東京)
2023 Mineralization, KANA KAWANISHI GALLERY(東京)
           Soap bubble surface, 六本木蔦屋書店 BOOK GALLERY(東京)
2022 Babel of the Ocean, WATOWA Gallery(東京)
           Convenience Chain, WALLS TOKYO(東京)
           FREE RECOIL -自由反動-, YUGEN Gallery(東京)
           実在の屈折|Refraction of Reality,  KANA KAWANISHI GALLERY(東京)
2021 ソノ アイダ #新有楽町, 新有楽町ビル1F(東京)(〜'23)
2019 2021 #ANTEROOM KYOTO, Gallery9.5 HOTEL  
           ANTEROOM KYOTO(京都)
           陸の海ごみ, Gallery A4(東京)
2018​ 20世紀の亡霊, KANA KAWANISHI GALLERY(東京)
2015​ HEYDAY NOW, COURTYARD HIROO ガロウ(東京)
2014​ Energy Translation Now, UltraSuper New Gallery(東京)


WALLS TOKYO
会期:2025年7月3日(木)〜  7月26日(土)
open:12:00 - 19:00
closed:sun, mon, tue
tel:03-6455-3559
E-mail:i@walls-tokyo.com
web:https://www.walls-tokyo.com/

〒110-0001
東京都台東区谷中6-2-41
6-2-41 Yanaka, Taito-ku, Tokyo Japan 110-0001
JR山手線、各線 / 日暮里駅から徒歩7分
東京メトロ千代田線 / 根津駅から徒歩10分
JR山手線、各線 / 上野駅から徒歩15分


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