
新型コロナ禍が後押しとなってテレワークが増加している。そんな中、パワハラ・セクハラの概念にも大きな変化が訪れようとしている。さらに、6月には「パワハラ防止法」も施行される。その変化とはいったいどのようなものなのか。
「書き言葉」の配慮でパワハラの9割が防げる
インプレッション・ラーニングが、2019年に20~60代の男女1000人に調査したところ、8人に1人が「SNSによるセクハラやパワハラを受けた」という結果となった。
同社ではこの結果をもとに、30万人以上への研修を行いパワハラの9割がNGワードをポジティブワードに変換することで防げることを実証したという。
これにより、今後は、メールやチャットワーク、スラックなどが社内コミュニケーションの中心になるため「書き言葉」を配慮することによってパワハラの9割が防げると提案している。
自分は何気なく送ったつもりでも相手を傷つけたり、不快にさせてしまう言葉が、受信者の心とデバイスの履歴両方に残る危険があるからだ。
パワハラ文例とは?ポジティブ変換後の文例とは?
同社ではこの分析をもとに具体的になパワハラ文例とポジティブ変換後の文例を紹介している。以下にその一例を示す。
【本文】パワハラ文例
「今回のミスは、小学生じゃないんだから、もう少しちゃんと考えるべきです。いつも失敗ばっかりなんだから、勘弁してほしい。とにかく早くやり直して、出すように!」
【本文】ポジティブ変換後
「今回は失敗しましたね。あともうひと息でした。◯◯の部分を修正して、夕方までに報告できますか?Aさん、これで挽回しよう!」
このように感情的な文章を送り、パワハラに当たる言葉を使うと、相手を傷つけ訴訟問題にも発展する危険性がある。しかし、言葉をかえるだけで、驚くほどコミュニケーションがよくなり、お互いが気持ちよく働けるようになると提案している。 (慶尾六郎)